2015年7月1日水曜日

白沢(はくたく)

今日の篠山市。
雨は上がりましたが、濃いグレーの暑い雲に覆われています。
気温はそんなに高くはなっていませんが湿度が高いです。今日のような日はしんどいですね。


昨日の新幹線での事件は驚きました。
過去にこういった事件が起きていなかったのも改めて驚きでもありました。
今日の毎日新聞のコラムも昨日の新幹線の事件を題材にされていました。



余録:「白沢」という想像上の動物が…

毎日新聞 2015年07月01日 00時39分(最終更新 07月01日 00時40分)
 「白沢(はくたく)」という想像上の動物がある。昔の中国の書物に出てくる人面獅子身(じんめんしししん)の聖獣で、体にもいくつか目があり、人の言葉を話す。伝説によると中国人の祖である黄帝(こうてい)と会い、この世には1万1520種類の妖魔(ようま)がいると教えたそうだ▲それを日本人がよく知るのは江戸時代にその姿を描いた護符(ごふ)がはやったからである。数多くの妖魔から人を守る御利益(ごりやく)があると思われたのだが、当時のベストセラーの「旅行用心集」は白沢の図をふところに入れておけば旅の災難や病気から逃れられると記している▲ならばきのう、東海道新幹線の乗客を襲ったのはいったいどんな自暴自棄(じぼうじき)の魔だったのだろうか。時速200キロ以上で疾走する列車内で焼身自殺による火災が発生、当人を含めて乗客2人が亡くなり、20人以上もが重軽傷を負うという新幹線開業以来の惨事となった▲当時、下り「のぞみ225号」には乗客約800人がいたという。密閉された列車内に油をまいて火を放てば最悪何が起こりうるかは、誰しも戦慄(せんりつ)とともに思い浮かべられよう。おびただしい数の旅人が互いに見知らぬ人と運命をともにせねばならぬ今日の旅である▲もとより危険物の持ち込みは禁止された新幹線の列車内だが、航空機のような厳重なチェックがあるわけではない。高速鉄道の利便性と安全性のジレンマをあらためて思い起こさせることになった今回の火災である。今後は不審物への監視を強めざるをえないだろう▲昔に比べれば安全になった旅だが、新たな危険も次々に生まれる現代である。森羅万(しんらばん)象(しょう)知らぬことはないという白沢も、増え続ける妖魔にたじろいでいよう。



「白沢」という想像上の動物が気になりました。
調べてみるとこんな姿をしていました。
確かに人面獅子身です。
「白澤」とも表記するようです。


白沢です
コラムにもあるように体にたくさんの目があります

鳥山石燕が描いた白沢


顔に3つの目。両脇腹にも3つの目。合計9つの目を持っています。
また角も全部で6本あります。
この絵を持っていると、コラムに書かれているように、旅の御守りになったようです。そして他に、この絵を枕に忍ばしておくと悪夢を見ないとも言われているようです。
江戸時代にはコレラから身を守る御守りとして流行ったようです。
さらに調べてみると、「白沢」は、
「知識を司る神獣」、「善政を敷く為政者のもとに姿を見せる」などの記述がありました。
京極夏彦さんの小説にいつか出てくるかもしれません。