陶器



『陶器』
陶器は自然に採れる土(主に粘土)が材料になっています。これらは花崗岩、石英、長石などが風化したものです。火山国の日本では入手しやすい材料です。陶器を焼く温度は1200℃前後と低く、傾斜したトンネルのような「穴窯」を作成すればどこでも焼けます。日本全土に「陶器」が広がった所以です。手軽に作れ材料も安いため日常生活雑器として日本全土で使われるようになりました。





『陶器の特徴』
原料が土(粘土)であるため磁器に比べて割れやすいです。しかも厚手で重いです。そのおかげで熱しやすく冷めにくいという特徴があります。熱い汁物やお茶を入れるのに向いています。温度変化に強く、上絵付けや金銀彩の陶器でなければオーブンや電子レンジで使用できます。






器体の厚み・・・陶土自体はもろい材質のために厚手に作られます。そのために磁器に比べ重いです。厚みはうつわが大きくなるほど厚く、比例して重みも増します。陶器の大皿ともなると数キロにもなります。保管時には器と器の間に布を当てると傷みにくくなります。


釉薬の使い分け・・・表面に塗られた釉薬は高温で溶け陶器をガラス質で覆います。釉薬は鉱物顔料が使われます。窯内の藁灰が化学反応を起こした「窯変」が好まれることもあります。


高台の素地の色・・・釉薬がかかっていない高台や高台脇の部分を「土見せ」と呼び、土本来の色を見ることができます。陶土は主として鉄分で素地が変わり、赤に近いものは鉄分が多いということになります。


原料の採取・・・土は乾燥させて細かくくだき、水に溶かして不純物を取り除いてから自然乾燥させます。


焼成・・・成型後素地に強度を与えるために自然乾燥をさせ、釉薬をかけてから10時間~2日間かけて焼きます。焼き具合は釜の温度で変わってきます。



日本六古窯・・・日本古来の陶磁器窯のうち、中世から現在まで生産が続く六つの窯。1瀬戸焼、2常滑焼、3越前焼、4信楽焼、5丹波焼、6備前焼