『木工品』
かつて約2000種もの樹木に覆われていたといわれる日本。縄文時代の遺構からも木製のうつわや道具が出土しているように、日本の木工の歴史は長いです。木工技術発達の過程でさまざまな工夫が重ねられ、巧みの技が今に伝えられています。
『曲物(まげもの)』
ヒノキ、スギなどの薄い木材を曲げて輪にし、合わせ目をカバやサクラの皮などで綴じ、底板、上板をはめ込んで作るもの。白木のものはご飯の水分を適度に吸収するので、おひつやお弁当箱に向いています。大館の曲げわっぱ(秋田県)が有名です。
『刳物(くりもの)』
あまり使われなくなった言葉になりましたが、刃物でえぐって穴を開けることを「刳る」といいます。刳物には臼、椀のほか最近ではお玉や匙なども作られています。宮島細工(広島県)が有名です。
『挽物(ひきもの)』
木をろくろで回転させ、それをカンナで挽いてつくるもの。「ろくろ細工」ともいわれます。盆、椀、茶櫃(ちゃひつ・・・煎茶道具一式を入れておく蓋付きの容器)、茶筒、鉢など。やさしい曲面と木目模様、質感が特徴です。南木曽ろくろ細工(長野県)、宮島細工(広島県)が有名です。
『木工品のお手入れの仕方』
使用後は出来るだけ早く洗い、水分をしっかり拭き取るのが基本となります。中性洗剤の使用は問題ありませんが、タワシやスポンジでのこすり洗いはしないほうが良いです。また食器洗い乾燥機の使用もしないほうが良いです。長い間、洗い桶に漬けておいたり、煮沸消毒するのも厳禁です。直射日光も変色や変質の原因となるので注意が必要です。