2015年11月6日金曜日

record : (重力波望遠鏡 KAGRA)




重力波望遠鏡「KAGRA」第1期施設完成 神岡

 宇宙から届く「重力波」の世界初観測を目指し、岐阜県飛騨市神岡町で建設中の大型低温重力波望遠鏡「KAGRA(かぐら)」の第1期施設が完成し、6日午前、報道陣に公開された。
 ノーベル物理学賞の受賞が決まった東京大宇宙線研究所長・梶田隆章さん(56)が中心になってプロジェクトを進め、ニュートリノ観測装置「スーパーカミオカンデ」と同じ鉱山地下に建設された。
 重力波は100年前にアインシュタインが存在を予言。物質が動いた時の時空のゆがみで波紋のように伝わり、宇宙の成り立ちを解明する手がかりになるとされる。最初に直接観測ができればノーベル賞級の成果という。
 KAGRAは、各3キロの真空パイプ2基をL字形に組み合わせてトンネル内に設置。中央と両端でレーザー光を往復させ、宇宙から届く重力波によって、光やパイプが微小に伸び縮みするのを検出する仕組み。
 2015年度内に試験観測し、第2期施設が完成する17年度の本格観測に臨む。12年に着工し、総事業費は約150億円。
 報道陣には3キロのパイプの一部や、望遠鏡の鏡を格納する装置などが公開された。説明した研究所の三代木伸二准教授(47)は「あと2年かけてさらに高度な装置にできれば、年数回の重力波の現象を観測できるのではないか。目標の感度を達成したい」と話した。