2015年12月3日木曜日

スーパーカミオカンデ

今日の篠山市。
朝から暗い空が広がっています。

今夜、「はやぶさ2」が一年ぶりに地球に接近するようです。
地球スイングバイのためです。
「はやぶさ2」の目的地は地球と火星の間の軌道上にある小惑星リュウグウ。
肉眼での観察は難しいようですが、ニュースなどでカメラからの映像が見られるかもしれません。


「はやぶさ2」の特設サイトがあるのでこちらでも見ていきたいです。





10月7日に「ノーベル賞物理学賞(梶田隆章・東京大学宇宙線研究所長)」のタイトルでブログを書きました。




今日の毎日新聞にノーベル賞を生んだ「スーパーカミオカンデ」の特集記事が掲載されていました。



科学の森:企業の高い技術力で実現 ノーベル賞生んだ「スーパーカミオカンデ」

毎日新聞 2015年12月03日 東京朝刊
 今年のノーベル物理学賞を受賞する梶田隆章・東京大宇宙線研究所長(56)の研究は、岐阜県飛騨市の神岡鉱山跡に建設されたニュートリノ観測装置「スーパーカミオカンデ」で行われた。地下1000メートルに建設された巨大な最先端研究装置は、企業の高い技術力に支えられている。【藤野基文】
 スーパーカミオカンデは、素粒子の一種のニュートリノが水の分子とまれに衝突して発する微弱な光「チェレンコフ光」を検出する。その本体は、5万トンの純水をたたえた円筒形のステンレス製水槽(直径39・3メートル、高さ41・4メートル)だ。多くの大型研究設備を手がけている三井造船(東京都中央区)が製造した。
 ステンレスからは観測の邪魔になる微量の放射線が出る。このため、壁面は厚さ4ミリ、底部は厚さ3ミリと薄くした。同社設備・機械グループ長の山口為久さん(55)は「構造上許される限りステンレスの量を減らした」という。
 薄いステンレス板で強度を保てるよう、水槽を設置するためにくりぬいた岩盤で支える構造とした。工期を短くするため、円形の足場を組み、縦2メートル、横6メートルのステンレス板を下部から順に張りながら、岩盤と水槽の隙間(すきま)にコンクリートを流し込む特殊な工法も考案。建設事業の中心となった設備・機械グループ主管の小野純二さん(63)は「予算の制約の中、研究者の『早く世界と競争したい』との思いを実現するのが課題だった」と話す。
 水槽内の水は、医薬品や半導体製造などに使用されるレベルの超純水だ。鉱山の湧き水をフィルターや除菌装置などに通して毎時約60トンが製造され、常に循環させる。
 この超純水製造システムは水処理装置大手のオルガノ(東京都江東区)と梶田さんが作り上げた。当時の担当だった機器商品部長の望月寛盛さん(45)は「梶田先生の提案を持ち帰って検証し、形にしていった」と振り返る。
 最も苦労したのは、放射性物質ラドンの除去だった。鉱山の空気はラドンの濃度が比較的高く、容易に水に入り込む。活性炭などを使って除去する方法で解決したという。
 チェレンコフ光を検出する「目」の役割を果たすのは、電子機器メーカーの浜松ホトニクス(浜松市)の「光電子増倍管」だ。直径約50センチの電球のような形で、水槽の内壁全面に約70センチ間隔で約1万1000本設置され、微弱な光をとらえて電気信号に変える。その性能は、月面から地球に向けて発した懐中電灯の光をとらえられるほどだ。多数の光電子増倍管で観測することで、ニュートリノが飛んできた方向などが分かる。
 神岡鉱山跡では、水の容積を20倍に増やした後継機「ハイパーカミオカンデ」の構想も進む。同社はさらに感度を高めた光電子増倍管の開発に取り組んでいる。


こういった技術力があってのノーベル賞なんだとあらためて感じました。
「はやぶさ2」もそうですが、創造力と技術が合わさって大きな発見につながるというのことは嬉しいですね。