
豚の角煮(左)、トマトの青じそサラダ(右手前)、カボチャとベーコンの煮物

(左から)濃い口しょうゆ、薄口しょうゆ、減塩しょうゆ
4月から国が定める塩分の摂取目標量が減ったことや、ヘルシー志向の高まりから減塩を心がける人が増えている。このため減塩しょうゆを使う家庭が、10年間で2倍に。和食の基本であるしょうゆの種類、使い方を紹介する。
●JAS法で5分類
しょうゆは奈良時代の「醤(ひしお)」が原形と言われ、鎌倉時代に現在に近いものが誕生した。庶民が普段の料理に使うようになったのは江戸時代後期からと言われている。
しょうゆの種類は日本農林規格(JAS)法で「濃い口」「薄口」「たまり」「再仕込み」「しろ」の5種類に分けられている=表。「濃い口」が全生産量の84%を占め、全国各地で作られている。「薄口」は13%で、主として関西地方で多く使われている。
●「減塩」10年で2倍
今、話題の「減塩」は一般的には「濃い口」からうまみ、香り成分を残し食塩だけを取り除いて作られたもの。食塩の含有量がしょうゆ100グラム中9グラム以下と決められており、濃い口の50%以下に抑えられている。「うす塩」「あま塩」といった表記のものの塩分は、それぞれのしょうゆの80%以下50%以上のものと決められている。
減塩しょうゆのシェア8割を占める「キッコーマン」によると、家庭用しょうゆのうち減塩タイプが占める割合は10年前に比べ2倍になったという。
同社のプロダクトマネジャー室で商品作りに携わっている井上美香さんは「しょうゆ全体の消費が落ち込む中、減塩しょうゆは増えている。今後もこの傾向は続くだろう」と話す。
●塩分多い「薄口」
また、料理に合わせて「濃い口」「薄口」「減塩」と3種類のしょうゆを使い分けると、素材の味が生きるという。
「濃い口」はしょうゆの中でも、味わいがあり、うまみ、こくもある。角煮、肉じゃが、すき焼きなど甘辛でしっかりした味つけの料理に。ご飯に合う料理に向いている。
「薄口」は色が薄く、香りが控えめだ。食塩の量は「濃い口」よりも1割程度多い。だしといっしょに使うことでうまみが増す。料理の色合いをきれいにしたい時におすすめで、カボチャ、サトイモ、カブ、タケノコなど煮物やお吸い物、茶わん蒸しなどに。
「減塩」は塩分を控えめにしたい人に。最初からすべての料理に使うと物足りなさを覚えるので、卓上に置いておき、つけかけなどに使う。ドレッシングやソース、あえ物、照り焼き、からめるような料理に向いている。物足りなさを補うように工夫された商品も出ている。
「素材をよりおいしく、見た目もきれいに作るには、しょうゆは使い分けするのがおすすめ。おいしさと健康を両立させていくためにも、効果的です」と井上さんは話す。【小川節子、写真・猪飼健史】
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◇濃い口しょうゆ「豚の角煮」
《主な材料》(4人分)
▽豚バラ肉かたまり 500グラム
▽酒 50cc
▽A(濃い口しょうゆ60cc、みりん120cc、水カップ2)
▽オクラ、練りがらし 各適宜
《作り方》
<1>鍋に豚肉、酒、たっぷりの水をいれて火にかけ、軟らかくなるまで1時間ほどことことと煮る。
<2>(1)を流水で洗い水けをきり、6〜8等分に切る。
<3>鍋に(2)とAをいれ弱火で40〜50分煮る。
<4>器に豚肉を盛りつけ、お好みでゆでたオクラと練りがらしを添える。
◇薄口しょうゆ「カボチャとベーコンの煮物」
《主な材料》(4人分)
▽カボチャ 600グラム
▽スライスベーコン 4枚
▽A(薄口しょうゆ・みりん各大さじ2、水カップ2)
《作り方》
<1>カボチャは皮を所々むいて3センチ角に切り面取りをする。
<2>鍋にAをあわせ(1)と食べやすい大きさに切ったベーコンを入れて火にかける。落としぶたをして軟らかくなるまで20分ほど煮る。
◇減塩しょうゆ「トマトの青じそサラダ」
《主な材料》(2人分)
▽トマト 1個
▽青じそ 4枚
▽A(減塩しょうゆ・みりん各小さじ1、ごま油小さじ1/2)
《作り方》
<1>トマトは食べやすい大きさに、青じそは細切りにする。
<2>トマトにAを絡めて器に盛り、青じそを散らす。
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◇しょうゆの種類とその特徴
種類 色合い 食塩分
濃い口 透明感のある明るい赤だいだい色 16〜17%
薄口 濃い口より淡い 18〜19%
たまり 濃い口よりかなり黒みがかっている 16〜17%
再仕込み たまりと同じ色 12〜14%
しろ 美しい琥珀(こはく)色、最も淡い 17〜18%